ダイカスト法で使用する金型は、鋳造したダイカストを取り出せるように少なくとも2つの部分よりなっている。一方は固定 型、他方は可動型といい、それぞれダイカストマシンの固定盤及び可動盤に取り付けられる。鋳造の1サイクルは、まず、ダイカストマシンにより可動型が動き、固定型に組み合わされて締めつけられる。次に、溶融金属が金型に圧入され、凝固が完了すると可動型が動いて型が開き、ダイカストが取り出される。その後、金型に離型剤が塗布され次のサイクルに入る。ダイカストの金型は簡単なものから、引抜き中子のある複雑なものまである。
ダイカスト法は、精密な非鉄金属鋳物の生産方法の中で、最も生産性が高く、1つの金型で数万回は繰り返し使用することが可能である。これは、1回鋳造するごとに新しい砂型を必要とする砂型鋳物と、著しい対照をなすものである。砂型の代りに鉄製鋳型を用いる金型鋳物では、生産速度がかなり遅 く、かつ精密さは砂型鋳物に近くダイカストより劣る。
1. 大型マシンによる大物ダイカストが生産できる。 2. サイクルごとにスリーブに注湯する。 3. 鋳造圧力を高くすることができる。(20MPa~120MPa程度) 4. 鋳造サイクルタイムは注湯に要する時間だけ、ホットチャンバーマシンより長い。 |
1. 主として亜鉛合金、マグネシウム合金などの鋳造に使用される。 2. 射出部が容湯中にあるので注湯する必要がなく、鋳造サイクルが早い。 3. 鋳造圧力が低い。(7MPa~25MPa) 4. 酸化物、空気の巻き込みが少ない。 |
(社)日本ダイカスト協会 資料より